第46回「こおろぎ」(99.09.19)

 暦の上では既に十五夜、すっかり秋となっているわけですが、まだまだ暑い日が多いですね。秋なんて風情は、俳句でも作ろうとしなければ感じることはできません。ねえ。そんな時にしか考えないような虫が今回のお題です。

 えと、ほら、あれだよあれ、彼女、魔法少女とか、そんなんばっかりやっている声優。などという無理なボケはやめましょう。さとみさんがやっている役、ひとっつもあげられないんですからね。えっへん(死語)。だいたい魔法少女って何なんだよ。そんなアニメ1回も見たことがないくせに。某セーラー月だって、原作しか知らないんですからねっ! かえってやばいか。

 さて。そんな風に思わず誰もしないようなボケに走ってしまいたくなるほど縁の薄いこおろぎですが、そんな身近でないものをどうしてまた、というあなた、そうです。また例のあれです。節操有りませんから、私。

 しかし、自然の風景で季節を感じる、というのはなくしてみると趣がありますね。たしかに。千葉(の田舎のほう)に住んでいた頃は、秋といえばススキ野原、でしたから。虫の声も夜になると聞こえたものです。秋の虫、というとやはりこおろぎよりは鈴虫や蛍のほうがイメージが強かったですが。うーん、いまいちトップスターになれんなあ。まあこおろぎこーろころ、なんていう鳴き声ですからね。

あれ鈴虫が鳴いている

チンチロチンチロチンチロリン

秋の夜長を鳴きとおす

ああおもしろい虫の声

 なんていう歌が音楽の授業であったことを思い出しました。メロディーは完璧なのですが、タイトルを覚えてません。虫の名前と鳴き声を変えて、4番くらいまであったような気がします。松虫と鈴虫は確実にいたのですが、こおろぎがいたか、といわれると自信がありません。

 しかしこの歌、「ああおもしろい」っていいきっちゃうのが素晴らしい。このあけすけさは好感が持てます。

 まあでも、秋の虫というのは鳴き声が肯定的に語られていていいですね。かたや、夏のセミは基本的に迷惑なものとして語られています。小林一茶以前も以後も、彼ほど肯定的に蝉の声を語ってくれた人はいません。やっぱりあの俳句は偉大ですね。

 個人的には夏のセミのほうが好きですね。はかなさを感じて。まあ、こういう感覚も、クーラーのききまくった部屋で生活しているからほざけるセリフですが。ま、とにかく、セミが鳴いているうちは夏です。秋が来ません。飽きがこない鳴き声です。おあとがよろしいようで。

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例のあれ、というのは下条さん「雑文日記」の「秋の雑文祭」をさしています。