第22回 日常とは。(98.08.25)

古代、生きることは食うことであった。

古代、生きることは農業する事となった。

古代、語り部という食い物を作らない職業が発生した。

古代、貴族という働かない種族が発生した。

「仕事は日常のものではない。あくまで食うための非日常だ」

というのが贅沢な物言いであることは確かだ。

でも、そう思っている自分がいることもまた否定できない。

「働くことだけが人生ではない」ということは

どんな昔の人でも知っていた。

が。

「働くことは人生の−少なくとも−メインではない」

と考える人は今でも少ない。

このフレーズを「知っている」といえる時代が来るのを信じたい。

それは怠惰な欲求なのかも知れない。退廃への第一歩なのかも知れない。

でも。

未来、生きることは創作することであった。

未来、生きることは鑑賞することであった。

未来、食うことも趣味の一つとなった。

未来、そこにも物語はある。

「笑って、お仕事。」

「わらうしかない」

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