第2回 移植というのはどういうことか?(97.06.25)

 えっと、私には兄がおりまして、生体肝移植という手術を受けております。そういったわけで、普通の人より「移植」というのは身近な話題です。今回は「脳死体」からの移植について。

 まず。医学的に、「脳死状態」から復活することはあり得ません。これは現在の医学では厳格な事実です。「低体温療法」というのは、「ほっとくと脳死状態になる人」に対する治療です。

 つまり、「移植」という概念があろうがなかろうが、「脳死」は「死」であるべきなのです。だから、人工呼吸器のつけられた「脳死」患者に「治療」をする事だって、本当はやってほしくありません。すぐに臓器提供をするなり、葬式を行うなり、献体するなり、ふつうの「死者」に対する扱いをしてあげてほしい。

 その上で、「もし本人にその意志があるのなら」、「臓器を提供」する「権利」がほしい。というのが私の「控えめな」主張です。どこが控えめかというと、海外での現状を記せば説明になるでしょう。オーストリアなどでは脳死体の臓器は「本人の」「拒絶の」意志がなければ移植に使われます。アメリカなど多くの国では脳死体の臓器を移植に提供する意志があるか遺族に聞くのは医者の義務です。

 脳死体からの移植に反対する人への反論を以下に記す。

結論。

移植だってふつうの医療です。

移植をしない権利だけでなく、する権利も認めてください。

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