岩明均

さて。この人の作品、なにはなくとも「寄生獣」です。この人の絵はちょっと癖があって、なじむまでには時間がかかるんだけど、慣れると独特の表情の味わいは深い。

「寄生獣」

 アフタヌーンで連載。全10巻。宇宙からやってきた人間の脳をのっとる寄生虫。脳を乗っ取ったあとは人間を捕食して生活する。その寄生虫が、寄生に失敗して右手に潜り込んでしまった。とまあ、そういうイントロで始まるこのお話。キャラクターがどう、というのではなく、ストーリーが完全にメインであるこの漫画の場合、へたに書くと内容をばらすことになってしまって難しいのだが、傑作です。

「七夕の国」

 現在2巻まで。今回は超能力。謎が多くて、まだなんともいえないが先が楽しみ。個人的には、こういうストーリーがメインの漫画は完結してから一気によむのが好きだ。でも、「ちょわああぁぁ」はないよなあ。

「風子のいる店」

 全4巻。作者によれば描くのにとっても苦労していて、それほど自己評価は高くないらしいけど、好きです。なんといっても風子というキャラクターがとってもいい。私のまわりには「どもる人」というのがいたことが(少なくとも意識の上で)なかったから「どもり」というのは実のところよく分からないんだけど、それも含めた性格や行動、ひっくるめて魅力的なキャラクターでありました。

 多分、悩むし迷うんだけど、ふっきって笑う強さがいいんだろうな。

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